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Fontannelle Cemetary

Diary

では手始めにナポリのことから。結局なにを言ってもヨーロッパ旅行でのハイライトはここだったんじゃないかな?どの街もすごい素敵で、海も綺麗で人生で一番きつい山登りもしたし、その分世界一綺麗だと思える風景も観れたし。(それも今後書く予定)フィレンツェではルネッサンス時代の美術館巡りでミケランジェロの完成作品も、未完成の作品もみてどっちが好きと聞かれると、もしかしたら未完成の作品の方がなぜかまた観たくなるんじゃないか。という不思議な感覚にとらわれたりもして。芸術は奥が深いなとしみじみ思ったりもしたヨーロッパ旅行。ご飯もワインも美味しくて天才を生むにはこうやって人生を豊かにするのか。と自分の中での答えも見つけたり。
 
面白かったのよ。
 
でもなぜ思い返した時にナポリのことを…自分でも不思議でしょうがないんだけど。インパクトですかね。人間味の塊の人たちというか。ナポリの後にアマルフィーコーストで1週間ゆっくり滞在したり、最後の3日間はユニークな街ヴェネチアに滞在したんだけど、そこがポンっと抜け落ちてしまってナポリの事を思い出すのです。
 
ポンペイ遺跡もヴェスビオ火山でもなくナポリの街。フォンタネレ墓地というところ。17世紀頃から身寄りのない人たちも安らかに眠ってもらえるように、とできた墓地。墓地というか洞窟にずんずん骸骨が積んである。
 
私たちの泊まっていた地区からすごく近くて歩いていけるということもあってフォンタネレ墓地に向けて出発。何度も道に迷いながら1時間ほど歩いていると、肌でも感じるほどなんだか様子がおかしい。ちょっと入ってはいけないくらい治安の悪い場所にいる気がする。あの100段くらいの階段を降りた後から。
 
正直、人にはおススメできないくらい治安は悪かったと思うよ。同じ国かな?と思うくらい。
 
南米?みたいな。ブラジル行ったときはわりとビーチでこのピリピリ感を感じてた様な思い出が。
子供に水風船投げつけられるし。やっぱりあそこが入り口だったんだと思う。ゴミだらけなのはナポリの街全体なんだけど、野良犬も歩いてるし、ミシンが10台くらい並んだ工場みたいなとこあるし。失礼にならない程度に思ったことを書かせてもらってるけど、とにかくここはイタリアじゃないと感じる地区だった。洗濯物が乱暴に干してあるせいかしら。割れたガラスが街のあちこちに落ちている、というか道路を覆ってるからか。とにかくちょっとここはいてはいけない場所なのかもしれない。
 
でも目的地はすぐそこで私たちは墓地を目指して歩く。
 
着いてみると、ガードマンのおじさんがいて友達何人かと楽しそうに話してた。荒れた地区にぽつんとある平和な洞窟だった。入ってすぐはドキドキしていたけど、骸骨ずんずん積んであるし。洞窟のなかということで心地よい綺麗な空気であふれていて、外より数度温度も低いんだろうね。そんな不思議な雰囲気が私たちを安心した気持ちにさせてくれた。
 
いくつかの骸骨には明らかに銃で頭を撃たれたとか、これは生きていた時になにか鈍器で襲われたんじゃないかとか、想像はふくらむばかり。でも不思議とここは愛で溢れている。ピースフルな空間だったよ。
 
時間も忘れるくらい私たちはここでゆっくりしていて。ガードマンのおじさんに閉めるぞーと言われるまで洞窟のなかにいた。
 
風の谷のナウシカに出てくる毒を出す植物を綺麗なお水で育てることによって、有害ではない植物にするナウシカの秘密の地下室を思い出したよ。ここもそういう不思議な力が働いていてなにか憎しみ、苦しみとか負の気持ちが一切感じられない不思議な場所。
 
さてここを出ても、外の現実世界では殺伐とした雰囲気の地区をぬけなければならない。ここですごい神経と体力を使った〜。朝のコースは変えて、とりあえず近くのメトロの駅を目指して歩き始めた。多分たった20分くらいの間だったんだけど、なんだかわけのわからない人種系の人たちとすごいすれ違って、本当ここはどこなんだよ。と2人でコソコソ話しながら歩いて帰ってきました。メトロ駅近くに着いてから神経を落ち着かせようとエスプレッソを飲みにカフェへ。ナポリ式の手動で圧縮するタイプのエスプレッソを飲んだ。ここのレジのおねいさんが、今計算してんだから待てよとかなり強い口調で言われて、イラっとしてしまったのも全部混みで
このエスプレッソの味は最高でした。
ナポリの地方柄なので。大声で怒鳴りあうのは。
 

 

もうナポリなんかこないからね。なんて話していたくせに。数ヶ月経って思い返してみたら、ナポリのことを1番にブログに書くという。不思議な魅力のある街と人たち。

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